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負の遺産 トゥール・スレン刑務所

February 22, 2012

ポル・ポト政権時代に虐殺の中心だった監獄トゥール・スレン。罪の無い多くの人たちが、ここで理不尽な尋問と拷問を加えられた後、キリング・フィールドへ運ばれ処刑されたという。現在は虐殺博物館として一般公開されているが、その内容に終止震えが止まらなかった。
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かつてこの場所は高校の校舎だったという。全部で4棟ある校舎のうち、A棟は尋問室、B棟は殺された人々の顔写真が並んだ展示室、C棟は独房、D棟は尋問の様子を描いた絵や器具が展示されている。
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まずA棟から。ここは尋問室として使われた場所。かつて教室だったはずの部屋には、錆び付いた鉄製のベッドと尋問用の器具が置いてあるだけ。実は各部屋の左の壁には、ここで尋問を受けて殺された人の生写真が展示されている。あまりにも現実とは思えない残酷な内容にシャッターを押すことはできなかった…
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続いてB棟へ。ここに収容された人々はまず写真を撮られ、その後に尋問を受けて殺されたという。中にはまだ若い女性や子供たちの写真まであった。殺される前と殺された後の写真が対になって展示されている箇所もあり、それらを見ているとだんだん目頭が熱くなってきた。
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C棟は独房として使われていた。ここもかつて教室だった場所である。レンガを積んで作られた独房には窓はなく、せまい敷地内で鎖につながれていたという。
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D棟には当時の拷問の様子が描かれた絵が展示されている。写真はその一部だが、水責めの様子と鉄棒に吊るし上げられる人が描かれている。信じられないが、このようなことが現実に行われていたのだ。
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キリング・フィールドとトゥール・スレン。カンボジアを旅する上で必ず行っておくべき場所だと思った。ポル・ポト政権の話は小学生の頃からニュースで報道していたので、ある程度は知っていたが、実際にその行為が行われた場所へ行ってみると感じるものがあった。こんな無惨な歴史の上に今のカンボジアは成り立っている。今回の旅では、前回とは違った視点でカンボジアを見れるような気がした。

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