August 20, 2012
ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の3つの聖地とされるエルサレム。それぞれの宗教がお互いに干渉し合うことなく、それでいてどこかで繋がっている街。そんな3つの宗教が混在するカオスな街エルサレムを巡った。(*写真は神殿の丘)
まずはユダヤ教徒の聖地「嘆きの壁」。ここはかつてユダヤ教の神殿が建っていた所だが、ローマ軍によって破壊され、部分的に残った西の壁をこう呼んでいる。
神殿崩壊後、ユダヤ人は年に一度許されている来訪の度、帰郷の夢を抱きつつこの壁に向かって祈るようになったのだという。
嘆きに壁に向かって祈るユダヤ人。
旧市街を歩くユダヤ人。
深夜0時に訪れた嘆きの壁。夜遅くになっても信者が絶えない。
シルクハットに黒い正装をしているのは正統派(オーソドックス)と呼ばれる信者。まるでハリポタの世界にでも迷い込んだよう。このような人たちが見れるのは世界でもここでしかない。
もみあげクリンクリンの特徴的なヘアスタイルのユダヤ教徒。
海人のユダヤ教徒。
聖書が並ぶ本棚。
ヘブライ語で書かれた旧約聖書を詠む子ども。
お勤めご苦労様です。
ちなみに金曜日の日没からは土曜の日没まではユダヤ教の安息日。嘆きの壁には大勢のユダヤ人が集結し、祈ったり踊ったりして賑わっていた。
続いてイスラム教徒の聖地「岩のドーム」。ここはかつてユダヤ教やキリスト教の聖域でもあった神殿跡に建てられたもの。
伝承ではイスラム教の教祖ムハンマドが、この地にあった神殿の岩の上から天に上ったといわれている。その聖岩が黄金のドームで守られているため「岩のドーム」と呼ばれている。
青く美しい壁面の装飾画。中に入ろうと思ったが、残念ながらドーム内部にある聖岩はイスラム教徒しか見ることができないみたい。
岩のドームに訪れていたムスリムの少年。
イスラム教徒地区のスーク。エジプトやヨルダンのスークと似たような空気が漂う。
お菓子のお店。カラフル!
こちらはパンのお店。焼きたてうまそう。
最後はキリスト教徒の聖地「聖墳墓教会」。ここはかつてイエス・キリストが十字架にかけられ、処刑された地「ゴルゴダの丘」があったとされている所に建てられた教会。
イエスの死後、香油を塗られた場所で祈る信者たち。
教会内にあるイエスの墓。
教会の天井に描かれているイエスの肖像画。
十字架を背負ったイエスが、処刑場のゴルゴダの丘まで歩いたといわれる悲しみの道「ヴィア・ドロローサ」と同じ道を歩む信者たち。彼らは聖墳墓教会までイスラム教徒のごった返すスークの中をひたすら歩いて行く。キリスト教とイスラム教が混在するまさにカオスな光景だった。
エルサレムで泊まったイブラヒム・ピース・ハウス、通称「イブラヒムおじいさんの家」は旧市街から少し離れたオリーブ山の上にある。
ここはイブラヒムというおじいさんが寄付制で提供している彼の家。キッチン、洗濯機、シャワーも自由に使えて、Wi-Fiまで完備している。
そして毎日イブラヒムさんがここで過ごす人たちのためにたくさんのご飯を作ってくれる。果物やジュースまで毎日食べ放題飲み放題。物価の高いイスラエルではほんとにありがたい。
屋上からの風景。着いた日は部屋が満室だったので屋上やPCルームを寝床にしていた。
壁に貼られているイブラヒムじいさんの歴史と功績の数々。彼はパレスチナ人でパスポートがないんだけど、世界中の国々に招待されるほどの偉大な方らしい。アメリカのホワイトハウスに招待されたり、チベットでダライ・ラマと会談したこともあるという。
これがドネーションBOX。寄付制なんだけど、一日の宿泊代の目安は50ILS(約1,000円)くらい。中にはお金を全く払わずに泊まって行く人もいるみたいで、結構お金に困っていると言っていた。
「Welcome!Eat!Food!」が口癖のイブラヒムじいさん。旧市街からじいさんの家までの道のりは毎日大変だったけど、家に帰ったらイブじいさんの作ったあったかい飯が待っている!そう思いながら急な坂道を登って帰る。そんな毎日を繰り返していたら実際にここに住んでいるような気にすらなってきた。8日間滞在させてもらったイブラヒム・ピース・ハウス。おいしいご飯に、あったかい寝床、それにいろんな話をイブじいさんには聞かせてもらった。本当に感謝。ありがとうイブじいさん。
タグ: Accommodation, Local People, World Heritage
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