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セルビアの友人をたずねて

September 24, 2012

リラ修道院からソフィアに戻ったあと、その日の夜行列車で次の国セルビアへと向かった。セルビアの首都ベオグラードでは、3年前モロッコを旅したときに知り合った、同い年のセルビア人、ミルティンの家に滞在させてもらうことになった。(*写真は友人のミルティン)
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ベオグラード行きの国際列車は、ソフィアの駅を20時15分に出発。料金は42BGN(約2,100円)。列車は1時間以上遅れて朝5時半にベオグラードに到着した。
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ベオグラードの駅では、以前からメールで連絡を取り合っていた友人ミルティンがお出迎え。3年ぶりの再会に二人とも笑顔がこぼれ落ちる。ミルティンの家までは車で移動。車内ではモロッコでの昔話や結婚報告、そして10月には赤ちゃんが生まれるということを初めて聞かされる。
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家に到着すると、眠いだろうから午前中はとりあえず寝るようにと、部屋まで用意してくれていた。ふかふかのベッドで最高の寝心地だった。
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11時頃目が覚め、一階に下りてみると、奥さんのマヤさんが朝食を作っているところだった。ほんとだ妊娠してらっしゃる。どーも初めまして日本人です。
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3人で一緒に遅めの朝食をいただく。めちゃうまでした。特にパプリカと何かの肉を混ぜ合わせて作った、コチュジャンのような食べ物は絶品だった。
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朝食を終え、ミルティンと一緒にベオグラード市内を観光しに出掛ける。奥さんは家で休息。
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まず最初に向かったのはセルビア正教の教会「聖マルコ聖堂」。この日は日曜だったため、途中に通った公園は、たくさんのカップルや家族連れで賑わっていた。
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聖マルコ聖堂の前ではちょうど結婚式が行なわれている最中だった。
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町で見かけたとあるバス。このバスは日本がセルビアに資金援助して、トルコで造られたバスらしい。それ故に、車体には日本の国旗とセルビアの国旗が描かれている。
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教会から北上し、高級ブランド店やレストランが立ち並ぶ歩行者天国へ。
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カレメグダン公園に到着。
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公園からはサヴァ川とドナウ川の合流地点が見える。
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この公園には元々、要塞があったみたいで、所々にその形跡が見られた。
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公園でチェスを楽しむセルビア人。
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アコーディオンの弾き語りのおっちゃん。
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音楽に合わせて手を繋いで踊り出す地元の町内会の皆さん。ベオグラードは今日も平和だ。
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公園をあとにし「セルビア正教大聖堂」に行くと、ここでも結婚式が行われていた。しかし、やけにまわりが騒がしい。何事かと思ったら、2011年に全豪オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープンの3大会を制覇したセルビア人テニスプレーヤー、ノバク・ジョコビッチ選手がいたのだ。ミルティンに教えてもらうまで気づかなかった。
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気分はもうパパラッチ。どうやら彼は友人の結婚式に参加していたみたいだ。興奮状態のミルティンは「僕らは彼を見ることができてラッキーだ!だから今日はもう良いことは起きない。帰ろう」と言い、家に帰ることにした。
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最後に、東方正教会では世界最大規模の「聖サヴァ教会」に立ち寄る。聖サヴァは中世セルビア王国創始者の王の息子で、セルビア正教会の創立者。彼の遺体が眠るこの教会には、たくさんの信者がお祈りに訪れていた。
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家に戻ると豪華なディナーが!今日はミルティンの友人も遊びに来てくれて、みんなでワイワイいいながらセルビアの郷土料理をいただく。どれもこれもめっちゃうまかった!
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ミルティンは「僕らが出会った年に作ったワインを飲まないか?」と言って、2009年ものの自家製ワインを開けてくれた。まさかのサプライズ!ちなみにワインはミルティンが、ラベルは奥さんが作ったという。すばらしい共同作業ですな。
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普通のワインかと思って飲んだら、発泡ワインでちょっとビビる。舌にほどよい炭酸の刺激があり、申し分ない美味さだった。
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翌日、ミルティンはお仕事のため、一人で町歩き。まずは次の目的地ブダペスト行きの列車チケットを買いにベオグラード駅へ。この日は一日中カフェで過ごしたり、買い物したりしていたので、写真はほとんど撮ってない。
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クネズ・ミロシュ通りにある破壊された建物。この通りには官公庁の建物が多く、1999年に起きたNATOによる空爆の残骸が当時のまま残っている。
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この日の夕食もセルビアの郷土料理。名前は忘れたけど、パプリカと豆をスープで煮込んだ料理。これも絶品だった。あと、プラムで作ったセルビアの地酒もいただいた。アルコール度数が結構高くてキツかったけど、身体が芯から温まった。
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ご飯の途中、赤ちゃんがお腹の中を蹴っていると言って、奥さんが少し苦しそうだったけど、ミルティンがお腹に手を添えて落ち着かせていた。幸せな光景だったなぁ。そして、あっという間に2日間の滞在が過ぎた。
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翌朝、別れを告げて駅へ向かう。しかし、ミルティンは家から駅まで15km以上離れているというのに、一緒にバスに乗って駅まで見送りに付き添ってくれた。しかも朝5時だというのに。なんて良いヤツなんだミルティン。駅に到着し、最後の別れを告げる。なんかウルルンみたいで泣けてきたが、ここはグッとこらえる。本当にお世話になった。いつの日かミルティン夫妻が日本に遊びに来ることがあったら、盛大にもてなしてあげないとな。
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ブダペスト行きの列車ではちょっとしたトラブルに見舞われた。パスポートをチェックしに来た警官2人に「お前は犯罪者だ」と言われ、罰金を要求されたのだ。実はセルビアには「24時間ルール」というものがあり、1日以上セルビアに滞在する場合は、入国してから24時間以内に、自ら所管官庁で滞在登録をする義務があるというのだ。そんなの初めて聞いた。ていうか歩き方持ってないし… 知らないといっても許されないみたいだ。

そして列車内で尋問を受けるハメに。どこのホテルに泊まってたかと聞かれ、正直に「人ん家」と答えたら、警官の目つきが変わった。どうやら無断で外国人を泊めた者にも罰則があるらしい。「そいつの名前は?」と聞かれ「ミル…」と言いかけたが、とっさに「マルコ」と答えた。住所も聞かれ「覚えてない」と答えると「なぜ知らない?」と言われたが、「知らないもんは知らん!」と答えると警官は諦めたのか、どこかへ行ってしまった。

結局、ブダペストに到着するまで警官は戻って来ず、罰金も払わなくて済んだ。しかし、同じ席だったオーストラリア人と日本人のカップルは、別室で自分と同じように警官に尋問を受け、一人70ユーロ(約7,000円)の罰金を払わされたという。え?なんで?? 話を聞くと、警官に「このままだと罰としてセルビアの国境で降りてもらう」と脅され、賄賂みたいな感じでお金を払わされたという。まじかよ… だけど彼らはベオグラードで泊まったアパートで現金400ユーロを拾ったらしいので、罰金に関してあまり気にしていない様子だった。自分にとっては70ユーロなんて大金だ。でも、なんで自分だけは罰金を払わなくて済んだのかは謎のまま。まぁ何はともあれ無事、20カ国目ハンガリーの首都ブダペストに到着することができてよかった。

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  1. Kaori Suyama より:

    初めまして。突然のご連絡失礼いたします。BSジャパンのテレビ制作をしている陶山と申します。この度番組でセルビア人の方を取り上げる際に、日本とセルビアの関係を表すものとして、日本がセルビアに資金援助をして作られたバス、GSPベオグラードをご紹介したいと考えております。ご投稿されているバスのお写真を番組内で使用させていただくことは可能でしょうか。どうかご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

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